WHAT PORACONポラコン(ポーラスコンクリート)とは
URBANIZATION & RAINWATER SOLUTIONS都市の市街化の弊害と雨水貯留浸透工法
降雨水は本来、地中に染み込んでいました。
しかし都市化が進み、地表がコンクリートやアスファルトなどで覆われることにより、雨水が地表に浸透する量が減ってきました。
その結果、地下水への雨水流出量が増加したり、降雨直後に短時間で河川等に水が流れたり、地下水量が減り地盤沈下の原因になるなどの問題が生じています。
このような問題を解決するために開発されたのが「雨水貯留浸透工法」です。
雨水を土中へ貯留・浸透させる技術であるこの工法は雨水の地区外への流出を抑制する効果があるため、雨水の流出総量が減少することで下水道への負担を軽減するとともに洪水の危険性を減らすことができます。
また同時に、地下水量を増やすことで土壌の乾燥化を防止し土中生態系が保全され、河川の平常水が確保されるという環境保全の効果も期待されます。
雨水貯留浸透工法の導入に際しては、その目的と環境条件を考慮した上で、ポーラスコンクリート(ポラコン)の使用が一つの有効な選択肢となり得ます。
WHAT PORACONポラコンとは
ポラコンとは多孔質なコンクリート(ポーラスコンクリート)で、東京オリンピックが開催された昭和39年に開発されました。
従来のコンクリートは通気性、透水性の小さい緻密なコンクリートが理想とされ、その利用分野もこの特性を発揮できる範囲に限定されていました。ポラコンは、緻密なコンクリートを造るのと逆転の発想で、水を通すために空隙を多くして、連続した水みちを確保するようにしたコンクリートです。空隙を多くするために、砂や骨材の細粒を減らした骨材を特殊セメントペーストによって接合し、連続空隙を形成したコンクリートであり、透水性に優れ、透水係数の調整も可能です。
また、商標「ポラコン」は1967年に登録されました。40年近くに亘って、これ等の製品に付加され営々として築き上げられた成果は、広く国内で知られています。このような特徴を持つポラコンの利用範囲は極めて広く、種々の構造物に有利に使用することが出来ます。
FEATURES of PORACONポラコンの特徴
特徴1高い透水率
ポラコンは有孔管などの点(穴)による浸透ではなく、多孔質(ポーラス)構造である資材面全体から浸透させるという構造により、有孔管に比べ20~25倍という高い浸水性能を持っています。これは不織布で作られたマスクをイメージするとわかりやすいかもしれません。
不織布のマスクは全体が多孔質(ポーラス)構造であることで快適に呼吸をすることができます。
ポラコン(ポーラスコンクリート)は特殊な製法により、製品全体に約 0.5mm ~ 0.8mm の大きさの空隙が出来ています。
ポラコンの空隙は普通の有孔管と比較すると、およそ 8 倍から 12 倍も多い空隙です。
これは集水ポラコンが径の小さいものでも 大きな集水効果を発揮するといえます。
径の小さいもので間に合うということは、それに付随する他の費用、例えば掘削、配管、フィルター材、埋戻等が減少しますので、集水ポラコンを利用する事により非常に廉価になります。
特徴2目詰まりをしない
また、ポラコンのもう一つの大きな特徴が目詰まりしにくいという点です。
有孔管やその他の暗渠排水工事などで一番問題になるのは、布設後間もなく目詰りをしてその効果がなくなることによります。その最大の理由は集水孔に入る場合に生ずる流速の増加です。流速の増加は有孔管では通常200~400倍になります。これだけの倍率になるとかなりの土粒子を流し込んでしまいます。
しかし、ポラコンの場合は流水がどの部分からでも自然にスムーズに吸い込まれて行き、 流速の変化を極めて小さくする ことができます。これが、集水ポラコンが目詰まりをしにくい理由であり、ポラコンが 地下排水・暗渠排水に利用される 理由です。
ポラコンは他の有孔管と異なり、流水がどの部分からでもスムーズに流れますので、目詰まりしません。
これらの特長により、ポラコンは他の浸透工法資材に比べ、高い浸透能力と耐久性を併せ持つ浸透貯留施設に最適な資材となっています。
この他、経年劣化の少なさ、フィルター材の選択肢の多さ、強度の大きさなどポラコンの優れた点は、我々ポラコン工業会が研究開発を続けたこの、セメント系材料による独自ポーラス構造資材の開発の賜物であり、まだまだこれからも改良に努めさらに優れた資材へと進化させていきます。
Environmentally Friendly Poracon環境にやさしいポラコン製品
河川は、もともと自然に水質を浄化する作用(自浄作用)を持っていました。これは、川底の小石や砂に付着しているバクテリアによって河川水中の有機物が取り込まれ、バクテリアは原生動物に摂取され捕食されるという食物連鎖がおこることによるものでした。
ところが、この数十年で河川の自浄作用は著しく低下し、河川や湖沼のそこにヘドロが蓄積され、悪臭も発生するようになりました。そこで、河川が本来持っている自浄作用を高めるために、各微生物が十分に活動できる場を作るためのポラコン(ポーラスコンクリート)、つまり、 水辺の環境と自然を活かした景観を作るバイオポラコン が作られました。
Workflow施工の手順
1掘削工
- 掘削は小型掘削機械により行い、崩壊性の地山の場合は土留工を施します。
- 掘削機械のバケットのつめ等で掘削の仕上がり面を押し潰した場合はショベルや金ブラシ等で表面を剥ぎ落とし、土砂は取り除きます。
- 掘削底面は浸透能力を保持する為、極力定で踏み固めない様に注意します。
2敷砂工
- 敷砂は足で軽く固める程度とし、機械での転圧は行わないで下さい。
3透水シート布設工
- 透水シート(PK-200)は士砂の砕石内への流入と地面の陥没を防ぐ為、桝と砕石を巻込む様に布設します。
- 透水シート(PK-200)は掘削面よりやや大きめの物を使用し、シートの継ぎ目から士砂が侵入しない様に重ねしろを考慮して下さい。
- 作業をしやすくする為、透水シート(PK-200)の端部をピン等で固定します。
4砕石充填工(1)
- 透水シート(PK-200)を引き込まない様に注意しながら砕石を投入して下さい。
- 砕石の転圧は沈下防止の為に行いますが、砕石部分の浸透能力や貯留量に影響する為、転圧のしすぎには十分配慮して下さい。
5底塊リング据付工
- 砕石上に底塊リングをレベル調整しながら据え付けます。
- 必要に応じて底塊リング内に底塊フィルターをセットして下さい。
6本体据付工
- 底塊リング上に浸透ポラコン桝本体を据え付けます。
- l段ことにレベル調整して下さい。
7砕石充填工(2)
- 砕石投入時に、砕石が浸透ポラコン桝内に入らない様に板材などで養生して下さい。
- 透水シート(PK-200)を引き込まない様に注意しながら砕石を投入して下さい
- 砕石の転圧は沈下防止の為に行いますが、砕石部分の浸透能力や貯留量に影響する為、転圧のしすぎには十分配慮して下さい。
8縁塊・側壁据付工
- 本体に縁塊側壁を据付けます。
- 砕石の投入は透水シート(PK-200)を引き込まない様に注意します。
- 砕石の転圧は沈下防止の為に行いますが、砕石部分の浸透能力や貯留量に影響する為、転圧のしすぎには十分配慮して下さい。
9透水シート工
- 砕石層を包み込む様に砕石層上面に透水シート(PK-200)を被せます。
- 必要に応じて流入管・流出管をできるだけ浅い位置に取り付けます。
10埋め戻し工
- 埋戻土は転圧機で十分に締め固めます。
- 砕石のかみ合わせ等による初期沈下が起きる場合がある為、埋戻し後1~2日は注意して下さい。